#詩 初冬
悴んんだ想いが迷い込む
白い季節の入り口で
冬枯れた空は
脈絡もなく
黙々と
鉛色の雲で機を織る
風は
空気の襞を千切っては
冷たさを研ぎ
目当てのない寂しさを
刻んでいる
何度揺すっても
冷え切った心からは
柔らかい笑顔など
零れ落ちる筈も無く
朽ちかけた今日を
振り返っても
明日へ渡す
一欠片の希望すら見えない
行く手を遮る
色付いた悲しみの前で
野ざらし地蔵のように
ただ ただ
呆然と立ち尽くす
震える痩せた魂
繕う手間も叶わず
息つく暇もままならず
イラストは借り物です
朝日新聞 ローカル版 掲載
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