mizunoyousei0001のブログ

詩を主にブログに載せております
日々の心模様、自然の様子などを拙い言葉で
綴っております

風立ちぬ

擦れた追憶の糸を辿れば
春に生まれた君は
まだ幼くちょっぴりシャイで
子猫の様に私の足元にじゃれついたり
時々 お花畑を渡り歩いては
花に分けて貰った香水を
惜しげもなく振り撒いたりして
とても初々しかった


田植えの頃
田んぼの水面に映った
四角い空の上を
すいすいとアメンボの様に
泳いでいた事もありましたね
耳元で囁く君は
とても大人びていて
びっくりするほど凛々しかった


夏も終わり
本当は暑い日も有った筈ですが
今となっては記憶にも薄く
君の印象も紙の様に薄く
通りすがりの異邦人の様に
無言で私の後ろへ去ってしまった


季節は時を追いかける様に
秋使用に装いを整え
辺りの景色も私の心とは裏腹に
色鮮やかになっております
日焼けもすっかり取れて
色白に戻った君は
眩しいほどの大人に成長しましたね


口笛もちゃんと吹けなかった
あの 幼かった君も
今では哀しい歌だって驚くほど上手に
歌えるほどになっているのですから


でも嬉しい反面
これからは君の歌声を聞く機会が
多くなりそうです


寒空に君の歌声が響き渡る度に
きっと私は
コートの襟を立て首をすぼめて
秋の深みに佇むことでしょう



                      

                       イラストは借り物です